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のれんの処理の違いについて

USGAAP(IFRS)とJGAAPの主な違いの一つにのれんの処理があります。

USGAAP(IFRS)におけるのれんは、非償却とされ、少なくとも年に一度の減損テストが要求されています。一方で、日本の会計基準では、のれんは20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって定額法その他の合理的な方法により規則的に償却するとされています。

すなわち、日本の会計基準ではのれんは一定期間にわたり償却され、簿価が減少していくのに対し、USGAAP(IFRS)では償却を行わないので、簿価は当初の金額のまま据え置かれます。

これらの会計処理の違いは、以下のように考え方の違いが元となっています。

 

まずのれんを償却すべきという意見の代表的なものの一つに、「自己創設のれん」の計上があります。つまり、本来企業ののれんの価値は遁減しているのに、これを償却しないと結果的に自己創設のれんを計上していることになってしまう。だから償却すべきだという論拠です。

 

一方でのれんを償却すべきでないという意見の代表的なものは、のれんの耐用年数を見積ることは実務上不可能で、のれんを償却することが恣意的な会計処理につながるという意見です。

 

どちらの意見も筋は通っているように見えますが、個人的には減損処理も恣意性の塊のような気がするので、それなら一定期間で費用処理したほうがいいと考えます。

 

ちなみに、USでもTax purposeなら15年で償却するので、この会計上と税務上の差異が

REGのschedule M-1で聞かれます。(会計上の費用を加算、税務上の償却額を減算)。

 

Goodwillの処理は日本基準とUSGAAPの主要な違いの一つであり、これが解消されればコンバージェンスがさらに進み、IFRS不要論に発展していくのではと妄想しております。。